「マイケルは殺害された」と、インタビューで陰謀説を語った姉のラトーヤ・ジャクソンだが、マイケルが急逝した当日、一番身近にいた人のひとりとして、当時の状況も語っている。
ラトーヤが生前のマイケルに最後にあったのは、亡くなる3週間前の父ジョーさんと母キャサリンさんの結婚60周年を祝った盛大なパーティで、マイケルのお気に入りにビバリーヒルズのインド料理レストランで行われた。
ラトーヤがレストランに着いたときには、マイケルも子供たちもすでに到着していて、ドアの前で立っていたマイケルがラトーヤを見つけると「ラトーヤ、とってもきれいだね」と声をかけた。マイケルはやせていたが、カレーをおいしそうに食べ、終始楽しそうにしていたという。パーティの終わりには「また(こういうパーティを)絶対やろうね」と言って、振り返って手をふったのが、ラトーヤが見た生前のマイケルの最期だった。
マイケルの亡くなった25日は、ラトーヤはマイケルの自宅から車で3分ほどの自分の自宅にいて、友達とその日の朝に亡くなった女優ファラ・フォーセットのことを話題にしていた。その2日前にはテレビ司会者でアメリカのアイコン的な存在のひとりだったエド・マクマホンが86歳で亡くなったこともあって、ラトーヤは「あともうひとり誰かが亡くなるわ。こういうのっていつも3人だから」と言っていたという。
すると一時間半後に、ラスベガスにいた父ジョーから「病院に駆けつけろ。マイケルが運ばれた」と電話が入った。ラトーヤは母キャサリンのアシスタントに電話をすると、自宅から車で10分のUCLA病院にマイケルがいると言われた。
車に飛び乗ってからもアシスタントに電話をかけ続け、「マイケルはどうなの?」と尋ねてもアシスタントは答えなかった。ついに電話越しに「誰からなの?」という母キャサリンの声が聞こえ、ラトーヤからの電話だとわかると、母は「なんで言わないの?」とアシスタントに怒鳴って受話器を取り上げ、力の限りの大声で「マイケルが死んだのよ」と叫んだという。
ラトーヤは思わず気絶しそうになり、事故を起こしそうになった。力が抜け、病院の入り口も間違えて、警備員に頼んで引率してもらった。やっとのことでついたマイケルの入っていた病棟には、すでに母と子供たちの姿があり、誰もが泣き叫んでいた。母のひざに3人の子供全員が座り、なき続けていた。
マイケルはすでにERから運び出され、控え室に送られていた。ラトーヤは11歳の娘のパリスちゃんから「ダディをもう一回会いたい」と頼まれた。看護婦は父親が亡くなった現実を子供たちに把握させることにもなるといわれ、ジャクソンズのメンバーでもあった弟のランディを伴って3人の子供たちの手をとってマイケルの元に連れて行った。
ラトーヤがマイケルの顔にかけられていたタオルをとると、パリスちゃんは「ダディ、アイ・ラブ・ユー」といい、子供たちやラトーヤはマイケルに抱きつきキスをしたが、マイケルの体はまだ温かかった。マイケルの眼は半分開いていて、眠っているようだったという。
泣き叫んでいた子供たちはマイケルの顔をみると静かになり、お祈りをしなさいとラトーヤが言うと、それぞれがマイケルに語りかけた。
蘇生処置のせいでマイケルの胸元は赤くなっていたが、噂になったように亡くなったときのマイケルは頭に髪の毛はなく、化粧もしていなく酷い状態だったというのは「まったくのでたらめ」で「マイケルはメイクをしていなかったけれど、いつもと変わらないマイケルだった」という。
そのあとに駆けつけてきたのは、マイケルやラトーヤと同じ学校に通っていた幼なじみでもあるパリス・ヒルトンの母親のキャッシーさんだった。
その後、家族らがおよそ30分のお別れの対面をしたあとで、ラトーヤが死亡届にサインをした。ラトーヤがサインをしたのは母キャサリンのすすめで、マイケルとラトーヤが特別な絆があったからだという。
警察では通報時に一緒にいたマーレイ医師に過失はなかったとみているが、ラトーヤはいまだにマーレイ医師に不信感を抱いている。
マーレイ医師は月給1500万円の契約でマイケルの住み込み専属医をしていたが、病院でマーレイ医師はラトーヤらを見ても自分で名乗ることはなく、パリスちゃんが「あの人がマーレイ医師よ。世界で一番の心臓専門医師なの。(それなのに)ダディに何が起こったの?」とラトーヤに告げた。しかし、マーレイ医師は心臓専門医師としての資格はなかった。
ラトーヤがマーレイ医師に詰め寄っても、口ごもるばかりで「マイケルは助かりませんでした」といったようなことしか話さなかった。そして問題になったように、マーレイ医師はその後行方がわからなくなってしまった。
また病院からLA郊外のエンチーノにある母の家に戻ったところ、マイケルの自宅とラスベガスの別宅のスタッフが、マイケルのアドバイザーでもあるトムトム医師によって全員が解雇されるという不可解な出来事の報告も受けた。
またマイケルは自分の寝室で発見されたといわれているが、ラトーヤによれば、マイケルはマーレイ医師の部屋から病院に運ばれたという。マイケルの部屋とマーレイ医師の部屋の間には大きな廊下があり、「マイケルは自分で歩いてマーレイ医師の部屋までいったのよ。そこで何があったのかはわからないけど、マイケルは医師のいる部屋でひとり亡くなったの」と話した。
マイケルの部屋には電話がなかったために、通報しようにも電話が見つからず、階下に駆け下りたマーレイ医師が警備員の携帯電話から通報し、この間30分かかったと伝えられている。マーレイ医師が蘇生処置をしながらマイケルは生きていると言っていたが、側近によれば、どうみてもすでに亡くなっているようだったという。


