10月に全米をお騒がせした「バルーン家族」の夫リチャード・ヒーンと妻マユミの双方に、刑務所行きの判決が下された。
コロラド州に住む3人の息子を持つヒーン夫妻は、10月15日に父親が自作したUFO型の気球に3男のファルコン君(6)が乗ったまま、離陸してしまったと緊急通報し、空中を浮遊する気球が全米のテレビで実況中継された。しかし、気球にはファルコン君が乗っていなかったことが明らかになり、世間は安堵したものの、実はこの事件は最初からテレビで有名になろうとしていた夫妻によるお騒がせだったと判明し、事件後数日は気球の捜索にあたった地元の保安局もヒーン夫妻に同情的で狂言とは思っていなかったが、結局は刑事事件になっていた。
米ABC局の「ワイフスワップ」というリアリティ番組(トラブルを抱える2家族の妻同士が2週間入れ替わって生活し、お互いの妻の良さ・家族の素晴らしさを発見する番組)に出演した過去があり、夫はロサンゼルスのタレント養成所に通うなどして、「リアリティ番組スター」を目指していたという。これはアメリカで流行中のリアリティ番組に出演して、セレブのような有名人になる一般人のことだが、48歳の夫は一時俳優を目指して挫折した事もあり、ハリケーンを追いかけるUFOマニアの自称科学者くずれとしてPRビデオを作って、自分のテレビ番組を制作してもらおうと売り込んでいた。
11月13日の裁判で夫妻は有罪が認められたが、弁護士が求めていたように執行猶予処分にはならず、今日12月23日に裁判官は、重罪の夫に90日間の実刑、微罪の妻に20日間の実刑が言い渡され、夫には4年の保護観察処分がつき、その間は気球バルーン事件に関わる件で利益(インタビュー出演料やテレビ契約金など)を得てはならないことになった。
ヒーン夫妻が償わなければならないのは、刑事責任だけではない。現時点だけでも、当局から4万ドル(360万円)以上の経費の負担を求められている。これは地元保安局と周辺保安局の人件費2万1500ドル、2機の米州ナショナルガードによるヘリコプター1万6000ドル、気球が着地した場所の修繕費8500ドル(75万円)などが含まれる。
さらにFAA(連邦航空局)では違法航空機の発射として罰金1万1千ドルを要求している。
45歳の妻マユミに関しては、当初の予想より厳しい判決との見方もある。というのも、妻は日本人であるために、重罪で有罪になると、国外追放の可能性があり、夫が刑務所入りになれば、3人の子どもを面倒見る人がいなくなってしまうために、夫を重罪で有罪と認め妻は微罪にするという司法取引が行われていたものの、妻は微罪ながら、実刑判決を得たため。が、子どもの面倒には支障がないようにと裁判官は妻は週末のみの刑務所入り(2日×10週)も認めているという。
夫は来年1月10日までに刑務所入りすることになっているので、クリスマスや年末年始を家族と共に過ごすことができる。しかし、今後模倣犯の出現を抑制する必要もあり、また夫のほうがテレビスターになることに積極的だったとはいうものの、通報する妻が動揺している様子も、最初から本当は子どもが気球に乗っていなかったことを知っていての"演技"で、妻は成人であり、責任能力を問われているのが判決に現れたといわれている。
アメリカでは、一般人がリアリティ番組と呼ばれるドキュメンタリー形式のバラエティ番組に出演して有名になり、セレブのような扱いを受けることが今年になって特に急増している。6つ子を含む8人の子どもを育てる夫婦の生活を追った「ジョン&ケイト プラス8」は人気番組になり、夫妻は一躍セレブになったが、ふたりは突如離婚して番組は終了してしまった。同じく、8つ子を産んだナディア・サルマンは世間の注目を浴び、人工授精出産であることも明らかになって批判も多いが、パパラッチが追っかけるセレブ扱い。
さらに全米各地の超リッチ&ゴージャスな妻たちのリアルライフを追っかけたシリーズ番組「リアル・ライフ・オブ~」は、妻同士のイガミ会いやキャットファイトが人気だが、今後放送予定の「DCシリーズ」の出演カップルが、ホワイトハウスのパーティに招待状無しで侵入に成功し、オバマ大統領とも写真を撮ったりとの事件が起こり、セキュリティ問題にも関わる大問題にもなっている。
気球バルーン事件当日の実況中継もすごかったけど、まだ"やらせ"かどうか確定してなかった翌日の朝のワイドショーに家族で出演して、ファルコン君が生中継中に2度も吐いちゃったのもすごかった。子どもは正直ですなあ。

